世に溢れる様々な作品について、考えたり研究したりして感想等を書く、記者多人数制ブログです。

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レビュー:化物語
〆ユチヨ


<あらすじ>
阿良々木暦を目がけて空から降ってきた女の子・戦場ケ原ひたぎには、およそ体重と呼べるようなものが、全くと言っていいほど無かった!? 『小説現代増刊メフィスト』掲載の3作に加筆訂正・改題のうえ単行本化。


ちょっとイイ話 + 言葉遊び。

とにかく面白かった。
物語の語りより会話を中心にストーリーを発展させる小説。
とにかく台詞回しが言葉遊びの連続で、よくもまぁここまでネタが思いつくもんだと感心すらしてしまう。

つか日本語の小説でしか味わえない技法の数々に、ちょっと感動すらしてみたり。


二度目、面白かった。
でもどの発言もほとんどネタバレになっちゃうので、内容を全然語れないのが残念です。


単純に楽しい話が読みたい人向け。
たくさんの人に読んでもらいたい。

オススメ。

化物語(上) 化物語(上)
西尾 維新 (2006/11/01)
講談社

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レビュー:GOTH ~僕の章~
〆ユチヨ


<あらすじ>
この世には殺す人間と殺される人間がいる。自分は前者だ―そう自覚する少年、「僕」。
殺人鬼の足跡を辿り、その心に想像を巡らせる「GOTH」の本性を隠し、教室に潜んでいた「僕」だったが、あるとき級友の森野夜に見抜かれる。
「その笑顔の作り方を私にも教えてくれない?」という言葉で。
人形のような夜の貌と傷跡の刻まれた手首が「僕」の中の何かを呼び覚ます。彼女の秘密に忍び寄った彼が目撃するのは…。圧倒的存在感を放ちつつ如何なるジャンルにも着地しない乙一の、跳躍点というべき一作。「僕」に焦点した三篇を収録。


著者は乙一
夜の章と対になる作品。
新書版は1冊にまとまってたらしいけど、読み終えてみるとなかなかどうして、分冊化したのは正解だと思った。


まず紹介。

「手」
篠原は“手”が愛しくてしょうがない。彼は手を集める。
彼が見る生き物は2つの手をぶら下げた動く物体たち。
この頃、僕の町では様々な“手”が切り取られるリストカット事件が起きていた。

「土」
佐伯は衝撃的な欲求から近所に住む少年コウスケを庭に埋めて殺してしまう。
そして3年、後悔と自責の念に悩みながらも、あの感覚を求める自分がいる。

「声」
北沢博子が殺された。妹・夏海と両親は失意の日々を送る。
そんな夏海の下に1人の少年が現れる。
「アナタに渡す物があります。」
それは北沢博子の声だった。



いわゆる“人間の内に潜む暗い部分”を描いた話。
しかし、そこは本格ミステリ大賞受賞作品。ネタが仕込まれている。
ただの暴力小説に収まらないのは僕と森野夜が全体の話を通じてほんの少しずつ変化していく過程にあると思う。
変化と言っても劇的な違いはないのだけれど、なんとなく人間臭い雰囲気をかもし出す後半の話なんかは結構読んでいて気分がイイ。

どちらが先行ってコトはないのだけれど、やっぱり 森→僕 と読むのがイイ選択だと思う。


暴力描写が苦手な人にはちょっと厳しいかもしれないけど、多くの人に見てもらいたい作品だと思う。

レビュー:GOTH ~夜の章~
〆ユチヨ


<あらすじ>
森野夜が拾った一冊の手帳。
そこには女性がさらわれ、山奥で切り刻まれていく過程が克明に記されていた。
これは、最近騒がれている連続殺人犯の日記ではないのか。もしも本物だとすれば、最新の犠牲者はまだ警察に発見されぬまま、犯行現場に立ちすくんでいるはずだ。
「彼女に会いにいかない?」と森野は「僕」を誘う…。
人間の残酷な面を覗きたがる悪趣味な若者たち―“GOTH”を描き第三回本格ミステリ大賞に輝いた、乙一の跳躍点というべき作品。
「夜」に焦点をあわせた短編三作を収録。


ライトノベル扱いで書いたのに本格ミステリ大賞を受賞してしまった、という変な作品。

いきなり余談だけど、一般文芸書籍の表彰を受けられない書籍をライトノベルって言うらしいですね。知らんかった。


著者は乙一
乙一と言えば、結構前に書いたレビューでは「短篇でちょっとイイ話を書く人」とか紹介していたのだけれど、そのちょっと後にスニーカー文庫滝本竜彦の“ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ”と“NHKにようこそ!”を中心に展開していた「ネガティブキャンペーン」でもこの本が取り上げられており、前々から気になっていた存在でもあった。



タイトルでもあるGOTHは辞書で引くといろんな意味が出るのだけれど、あとがきによるとどれでもない 「 文 化 」 という意味らしい。

-夜の章- と -僕の章- の2編に分けられていて関与しない短篇が集まって構成されています。
つかすげー薄いんですけど、なんで2冊なの?


以下紹介。

「暗黒系」
森野夜が僕のもとに持ってきた女性バラバラ殺人の犯人の日記。
日記を辿れば未発見の殺人現場を見ることができる。
まだ残されているハズの遺体を探しに出掛ける僕と夜──。

「犬」
近所で頻発する小型犬の行方不明事件。
僕はふとした好奇心から事件に少なからず関わってしまう──。

「記憶」
最近眠れない、と訴える森野夜の不眠症解決法は首に「紐」を巻きつけること。
夜の過去に興味を抱いた僕は彼女の田舎を訪ね、ある隠された事実を知る──。


残虐嗜好を持つ少年少女と、その周りで起こる残虐奇異な事件の話。
ってのが最初の印象でしょうか。
読んでるだけでも目を背けたくなるような残酷描写が多い。

主人公たちは「悲痛や悲惨な殺人」「恐怖に叫びたくるような異常事件」を好み、調べ、それを見守る。


常に全面に押し出されるのが彼らの嗜好と「事件に関与しない」というルール。

遺体の着ていた服装や行動を真似てみたり、犯人に直接会ってみたり。
でも事件には関与しない。
犯人が分かっても犯行を知っていても彼らは見てるだけ。
解決もしなければ犠牲者を助けたりもしない。

この作品で描かれるのは、ただ切なくて、ただ残虐な事件の一片。



面白いが、読み終わる度に鬱々とした感覚が押し寄せる。そんな作品。

・人生はとにかく楽しいことだらけだ!!
・誰にも理解されない美学を自分は持っている。
・救いようがない

って感じの人に読んでもらいたい。
そんな本です。

GOTH 夜の章 GOTH 夜の章
乙一 (2005/06/25)
角川書店

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レビュー:ネガテビハッピー・チェーンソーエッヂ
〆ユチヨ


<あらすじ>
平凡な高校生・山本陽介の前に現れたセーラー服の美少女・雪崎絵理。彼女が夜な夜な戦うのは、チェーンソーを振り回す不死身の男。何のために戦っているのかわからない。が、とにかく奴を倒さなければ世界に希望はない。目的のない青春の日々を“チェーンソー男”との戦いに消費していく陽介と絵理。日常と非日常の狭間の中、次第に距離が近づきつつあった二人に迫る、別れ、そして最終決戦。次世代文学の旗手・滝本竜彦のデビュー作、待望の文庫化。


“NHKにようこそ!”が地味な盛り上がりを見せる角川書店期待のホープ滝本竜彦のデビュー作。

正直、最初あらすじを読んだ時は「関わらないタイプだなぁ」と思った。

平凡な高校男児が戦う少女と出会う。

あまりにも直接的なその説明はウチの続読意欲をグングンと下げていったのを今でも覚えている。

途中のイベントや結末の方向性が安易に想像できるじゃないか。安っぽすぎないか?
などと4、5ページ読んでる時に思ってしまった。

だがそれは杞憂だったらしい。
と言うかチェーンソー男自体は本編に対する一種の要因であって、この物語においてのスパイスのような部分でしかなかった。
本当に重要だったのは主人公山本陽介そのものの視点。変わり映えのない日常そのものの中にあった。


高校3年としての日常。
友達とか家族とか、先生とかテストとか、誰でも経験するような普通の日々。
そんな生活の中で一喜一憂する陽介を見ていると、何と言うか……こう、上手く言えないのだけれど、「あぁ、あの頃ってこんな感じだったかな」と深くもない感慨に浸ってしまう。

ストーリー自体は単純なのに、どこか“それっぽさ”を漂わす作品。
結局何と言えばイイのか分からんけども、10~20代の人たち、特に男性に読んでもらいたい1冊だった。

ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ
滝本 竜彦 (2001/11)
角川書店

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